スクエニとテクモについて

 株式会社スクウェア・エニックスは8月29日、テクモ株式会社に対して同社株式の友好的公開買い付けを提案すると発表した。買い付け価格は28日の終値 706円に対して30%強のプレミアをつけた920円。もしこの提案をテクモ側が回答しない、もしくは断った場合は提案を撤回するとしている。

http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20080829/sqex.htm

非常にいい提案だと思います。
ここ数年にわたるテクモの経営と従業員を巡るゴタゴタは外から見ていてかなり見苦しいものでした。このままだとゲームユーザーにも株主にもそっぽを向かれ、現場のスタッフはモチベーションを失い、テクモはただ死を待つだけの状況になっていたことは火を見るよりも明らかだったために、このタイミングでこの提案は素人目にはかなり魅力的に思えます。
一方のスクウェア・エニックスはグラフィック偏重のゲームやリメイク商法やらであまり好きになれないメーカーではありますが、任天堂コナミと並んで経営という面ではもっともしっかりしている会社といえ、買収先としてはかなり魅力的なのではないでしょうか。タイトーを再生させた実績もあります。

モノを作る能力を持つ人材が企業にとって最も大切であるとした。和田氏は、クリエイターの能力や制作者の強いリーダーシップ、個性を尊重するとしながらも「ゲームはひとりの天才が作っているように見えるが、チームで作るもの。その一部が崩れると、全滅する」とし、企業としてはそこを補完し、いかに成果を出してもらえるかが重要だと語った。

スクエニの和田社長の言う言葉が本心かどうかはともかく、ゲームメーカーの一番の財産は現場のスタッフだというのは真実だと思います。ここで20年以上*1の歴史を持つ老舗のゲームメーカーが消滅してしまうのは業界全体にとって計り知れない損失になるのです。とにかく、テクモの経営陣が自らの保身のみを考えてこの提案を蹴ることがないことを祈ります。

*1:Wikipediaみたら1967年創業だそうで……40年ですか!