狼と香辛料(9)

 
 
これまで大抵の交渉ごとには後ろ、あるいはすぐ近くにホロがいて、いわば実習生的な扱いだったロレンスが、ホロが背中を押してくれたといえ、初めてホロのバックアップ無しに大きな交渉ごとをやる一歩成長した姿を見せてくれた感じ。
ロレンスはただキーマンとエーブの仲立ちをしているだけなのに相応の緊迫感が伝わってくるのはさすがといわざるをえない。ただ、最後のセーフティとしてホロがいるおかげでロレンスに命の保証があるわけで、それがちょっと緊迫感をそぐことになっているのは残念。ロレンスが成長してきたことによってホロが強大であることがネックになりつつあるのかも。