狼と香辛料(15)

 
ホロの昔の仲間の名前を名乗る傭兵団を探して街にやってきたロレンスたちだったが、そこでもう一つの旅の目的である「ロレンスの店」が現実味を帯びてくると言う展開。新規の出店に制限がなく、税金もなく、さらにヨイツからも近いというできすぎた条件に疑心暗鬼になるのはロレンスでなくとも頷ける。
確かにヨイツの近くというのは物語の都合なのかも知れないけど、そのほかの条件に関しては経済的に合理的な理由がちゃんとあってきちんと説明されているのはさすがといったところ。毎度毎度膝を打つ思いです。
けどそれで物語がめでたしめでたしとなるはずがないのは読んでいる最中からわかるわけで。ほら、この本、「上巻」だから。しかし今はロレンスとホロの間にすれ違いが起こりようがなく、今までよりも安心して先行きを見守ることができるのはエンディングが近い証拠。